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レゲエ好きが語るレゲエ (前編)  こだま和文×森俊也×HAKASE-SUN

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Text & Photo by Shizuo “EC” Ishii

KODAMA And THE DUB STATION BANDとMatt Soundsはドラムの森俊也とギターの秋廣真一郎が共通する、いわば兄弟バンドのようなものだが、それぞれの佇まいは大いに異なる。それはレゲエと言う音楽の幅広さ、奥深さでもある。「Gladdy Unlimited」で共演するこの2つのバンドから森俊也、キーボードのHAKASE-SUN、そしてトランペットのこだま和文の3人に話を聞いた。オモシロい!

●皆さん、たぶん最初は違う音楽から入って今はジャマイカン・ミュージックが中心になっているんだと思いますが、レゲエじゃない最初の音楽は何が印象に残っているんですか。まずは、HAKASEから。

HAKASE-SUN(以下、H):僕は高校生の頃がちょうど80年代の前半くらいで、最初はやっぱりビートルズですね。ありきたりですけどストーンズとかそういうものを聴いて、当時ボブ・マーリー後の第二次レゲエ・ブームがあって、シュガー・マイノットとかサード・ワールドとかの時代に、FMで結構レゲエのオンエアがあったんですよ。「サウンド・マーケット」っていう番組でレゲエ・サンスプラッシュの実況放送とか色々と聴いたり、今じゃそんなの有り得ないですけどね。あとは、オーバーヒートが出してたレゲエ・アルバムの日本盤とかね。バニー・ウェイラーとか、その中にはグラディさんの『Caribbean Sunset』も入ってくるんですけど。

●森さんは、どうですか。初めはやはりレゲエじゃないですよね。

森(以下、M):僕もやっぱビートルズかな。僕は5歳くらいの時が多分「Let It Be」だと思うんですけど、それがFMか何かで聴いて凄い刷り込みですね。その後しばらくは普通に歌謡曲が好きで西城秀樹とか好きだったんです。小学生の頃にTVの「ぎんざNOW!」っていう番組で、毎週木曜に洋楽トップ10みたいなのをやっていて、それを見て洋楽を聴く様になりましたね。今考えるとレゲエにハマったのはやっぱりポストパンク後の人達のレゲエの影響が凄くてそこから自然にこう・・・、レゲエを意識したのは80年代の半ば過ぎからですかね。

こだま(以下、K):この3人(とコウチ、秋廣)で一緒に音楽をやっている割には、こういう話を直接はした事が無い。自分達のやる曲にちなんでは話しますけどレゲエの事さえそんなに無いですね。だから今日この場があって何かありがたいというか、ちょっとこそばゆいなと。音楽に接してきた時間は年齢的には僕が一番古くてどこから話したらいいかなと思うけど、子供の頃に通った教会の日曜学校で賛美歌を歌っていて、その後中学でブラスバンドに入るんですよね。その学校が熱心で厳しい練習をさせられました。ポピュラーはほとんど無くて、ブラスバンド用に編曲されたクラシックのかなり上級者編の曲をやらされてたんですよ。それでこの間ふっと自分が最初に買ったレコードを思い出したらヘンデルという人の「水上の音楽」っていうちょっと大きめの10インチみたいなのだった。

M:へえ、クラシックですね。

K:まあ、親からの小遣いで何故かそれが欲しくて、それが多分中学1年だったと思う。つい最近そのヘンデルの「水上の音楽」をもう1回CDで聴きましたよ。

●どうでしたか。

K:まあ、「これが最初に買ったレコードか」っていう感じでしたよ。その後は、ポップスになっていき、ロックとか、日本のグループ・サウンズの全盛期みたいなのにも影響受けてそこからすぐ中学3年で地元のロック・バンドに加わる事でそれからの自分の成り行きが随分変わりましたね。僕がバンドをやりだした頃はジェームス・ブラウンも流行っていれば、ビートルズも流行っているしストーンズも流行っているという時代でそのバンドはそのどの曲でもやるんですよ。

●やはり皆さんレゲエにちょっと気がつくというか、そっちにシフトしたのは、70年代終わりから80年代ですよね。どういうきっかけでしたか。

K:それは知り合いの家で、サード・ワールドのアルバムを夜中に聴かせてもらった時ですね。僕と同じ様にロック全般、ジャズから何から音楽が好きで聴いていた人が、「こんなのがあるよ」って何となくかけてくれたのがサード・ワールドで、それが直接レコードから聴いたレゲエの最初のインパクトでしたね。

●それは70年代ですね?

K:そう。多分ファースト・アルバムだったと思うけど。

H:サードワールドがポップになる前ですよね。『96° In The Shade』とか。あれ、良いですね。

K:そうそうそう、その辺ですよ。

M:それは、良いや。

K:もの凄くインパクトがあって、それは忘れられない衝撃ですよ。リズムとしての音楽というか、まったく違うものだったから。だからそれと同時くらいにだんだんレゲエが、例えばエリック・クラプトンの「I Shot the Sheriff」が街中でかかったりするようになったり、どうやら最初に聴いたサード・ワールド辺りのあれがどうも元になっているんじゃないかって思ってるんですよ。70年代の中間くらいかな。

H:その時はボブ・マーリーじゃなかったんですね。

K:その後1番決定的だったのが、テレビで放映されたボブ・マーリーの来日コンサートで、それまでははっきりとレゲエと分からなかったものが、この人だったんだと思いましたよ。しかも来日しているわけだから。最近ツイッターで知ったんだけど、ECDはバイトでその時に照明をやっていたそうですね。ECDって凄い環境にいたんだなって。

M:良い話しだと思います。

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