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The 10th FUKUSHIMA, Nippon AWAKES(日本の目覚め)

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 ついに10回目の3.11を迎えた。未だ、3万人以上の方々が故郷に戻れていない現実がある。
2012〜15年の間、福島市に在住し市内すべての田んぼ、果樹園の含有放射性物質測定に携わった平井有太による寄稿。

 10回目の3.11がやってきた。

 今日は、そこで僕が国内外の仲間たちと必死に仕掛ける大切なことを、どうか知って、支援いただきたい。休んでいたRiddimと石井さんも、このために説得し”Awake(アウェイク)”していただいた。口火を切るための「最高の舞台はココだ」と思っていた。

 今回、個人的に初めて、クラウドファンディングを仕掛ける。プラットフォームはMOTION GALLERYで、開始日は3/10(水)。タイトルは『3.11、10年目の挑戦!「人間の表現」と「原発事故のファクト」のデータベースをつくりたい(https://motion-gallery.net/projects/the10thfukushima)』。コロナ禍は、助成金や寄付で運営される放射能測定室にも大打撃を与えている。その救済が目的だ。



 僕はずっと、土や食品の測定に携わってきた。今回一緒に立ち上がった仲間たちは、全国に約30ある市民測定室を束ねる「みんなのデータサイト」事務局や、福島市で2011年から測定を続ける「ふくしま30年プロジェクト」。つまりは、現状の民間における最強チームである。

 原発がその建設から事故後までずっと起こし続ける一番の特色は、僕たち市民間における「分断」。それだって、フェアな情報開示と透明性さえ担保されていれば、もしかしたらなくなるんじゃないか。市民同士でぶつかっている間は、怒りの矛先が本当の事故の当事者には向けられない。市民の分断や対立が誰に利しているのか、僕らは本気で認識する必要がある。

 判断は常に個々人次第として、大前提となるすべてのベースは、判断基準となる測定データの開示と透明性の維持ということ。

 僕たちはこの10年で体験してしまった。そこを大きな組織に任せると、まず「測らない」。測っても「隠す」。それが見つけられると「嘘をつく」ことを。だからこそ、このプリンみたいな島国日本に50基以上の原発と大量の使用済み燃料を抱える現実は、市民によるバイアスのかからない放射能測定室が必須なのだ。


 だって、どんなに博識な秀才でも、実態把握ナシに的確な判断は不可能。当時福島の特に食と農の現場では、例えて言えば、医者が診察ナシでがん患者に風邪薬を処方とか、風邪の人に外科手術といった、つまらない漫画みたいなことが現実に起きていた。これは民主主義とか共産主義、右とか左、当然国境や年代、人柄の良し悪しなんかも超えた話である。

 福島について関心が薄まる一方の中、メディアで見かける代表格は、汚染水の海洋放出問題。加えて現実には、甲状腺がんの検査は打ち切りの動きがはじまり、旧警戒区域への帰還にあたっての被ばく許容量は1ミリシーベルト/年から20倍に引き上げられ、同じく帰還政策が進められる飯舘村では除染中止の取り決めや、さらには食品の放射能基準値だって100ベクレルから緩和という動きがある。

 そして先日、震度6の地震が嫌が応にも僕らの記憶を揺さぶったと思ったら、福島県沖で2年ぶりに500ベクレルを超えるクロソイが確認された。しかも、原子炉内にある格納容器では水位の低下傾向が続いている。それってつまり「漏れてる」んでしょう?

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