Interview by Yosuke “CB” Ishii
僕がSFに住んでいた97年から05年の間、KeithもちょうどSFに住んでいた時期があった。僕は、SFのReal Skateboardsの“Non Fiction”というビデオを何度も見ていてSFを心底愛するようになり、SFでスケートしている自分が誇らしかった。そのビデオのKeithのパートは最初の2秒間でアドレナリン全開にさせられた。それはクルマのボンネットをオーリーで飛び越えるシーンで、何人の友人達に「このオーリーがシビれる!」と熱く語った事だろう。
そして初めてKeithとスケートをした時だ。いくつかのスポットを廻ったが、自分が滑れるようなスポットはなかなか無かったが、やっと僕でもトライだけなら出来そうだと思えたスポットに到着した。だがスタートから5分でオーリーマスターの目の前で、歩道に乗るだけの30cmのオーリーで鬼ハングし、その日はあえなく終了。それが彼にウケたのか、それ以来の友人だ。
●HUF Tokyoのオープンおめでとう! とても良い場所に良いストアです。
Keith Hufnagel(以下、K):ありがとう。
●実は7月、LAのFairfaxにHUFが再オープンした時にもオープニング・レセプションに行ってKeithに会いましたね。で、その時に凄く気になったのがKeithがウィールのMetropolitanのCapを被っていたんだけど、今後はMetropolitanのプロダクツを作っていくんですか?
K : 僕は95年から98年くらいのMetropolitanがなくなるまでのライダーで、スタートからあのブランドが発展するまで大きく関わっていたんだ。それで1年半前にJim Thiebaud(サンフランシスコのDLX Distributionの副社長)にMetropolitanの権利について聞いたらJimが僕にくれたんだ。だから商標を申請して、新しいカンパニーとして甦らせたよ。Metropolitanは僕がゆっくりとやっていくよ。
●DLX Distributionが所有していたブランドだったんだね。僕はてっきり東海岸のどこかが作っていたブランドかと思っていました。
K : うん、確かに東のイメージが強かったね。当時は西海岸と東海岸の交流が少なかったからDLX Distributionが東海岸のスケーターを集めてロゴを作って上手くやっていたんだけど、ある時DLX Distributionがもう一つのウィール・ブランドのSpitfireを休止するか、Metropolitanを休止するかという話しになってMetropolitanを活動停止にしたんだ。それで今僕はMetropolitanをスケートアパレル・カンパニーとして復活させようとしてるんだ。だからウィールはやらないよ。どう?CB的にも良いアイデアだと思わない?
●うん、それはイイネ! ここ最近は90年代のグラフィックやデザイン、ファッションなんかも再注目されているしね。僕もCB DistributionとしてLAに住むChrisがやっている“Dear,”というブランドを去年から取り扱い始めたんだ。90年代にGonz(マーク・ゴンザレス)が着ていたIsraelのTシャツやJason Leeが着ていた$のTシャツ、Sean Sheffeyが着ていたアインシュタインのTシャツ、Ray Barbeeが被っていたRBキャップとかを作っているんだ。“Dear,” って知ってる?
K : 知らないな、ちょっと今ウェブで調べるよ。
●最近だとH-StreetのTシャツなども作ってたよ。
K : H-Streetは最近復活したからそれってブートになるんじゃないの?
●そうそう(笑)、ChrisはH-Streetが復活する直前に作ってたんだけど、この前Tony Magnussonに注意されたみたい。それでTonyの大ファンが高じて作っちゃったって言い訳して、もうこれ以上作らないという事で許してもらったらしいよ(笑) 。でもChrisはDLX Distributionが抱えていた(トラックのゴム・パーツ)ブッシュ・ブランド、Supercushも作ってたよ。でもそれはDLXへ行って許可を貰ったって言ってたね。
K : だろうね。クソ~、“Dear,”か。それもSupercushを作ったのか、、良いなぁ。良いの見つけるね、Fuck’n CB!!
●ははは、KeithはNY、LA、SFというアメリカの3つの大都市に住んできたんだけど、スケーターとしてこの3都市のそれぞれの良い所はなんでしょう?
K : まぁ住んだ年代も違うから難しいけど、NYは僕にとって間違いなくホームだし、プッシュで簡単に色々廻れる街だけど、四季もあるし街の地形も違うし路面はとにかくラフだから難しいよね。初めてSFに行った時はダウンヒルをたくさん経験した。NYではカーブやレッジやフラットが好きだったけど、SFはダウンヒルを学んだって感じかな。LAはそれらが全てある感じかな。ただ、NYやSFの様にプッシュでまわれないからドライブしてスケート・スポットを巡ることになるけどスケート・スポットの数でいえばLAが一番あるんじゃないかな。僕はNYで育ったしNY流のストリート・スケーティングが好きだけど、今はLAのパークで滑っているよ(笑)
●どこに行ってるの?
K : この前パサデナのパークへ子供と行ったくらいかな。あとはたまにBerrics(Steve BerraとEric Koston二人のプロが始めたインドア・スケートパーク)へ行ったりとか。最低限のスケートしかしてないからもっとしたいんだけどね。