Photo & Text by Jun Tochino
キングストンのナショナル・スタジアムの駐車場特設会場で、3月25日にアルカラインのコンサートが行われた。アルカラインは1993年4月11日生まれで現在24歳。今のジャマイカでポップカーンと人気を二分する若手DJです。デビューは16歳の時でしたが、2013年に彼を一躍有名にしたのが特殊コンタクトで黒目を大きく見せたルックスでした。当時アルカラインに会った時に直接聞いたら、異常に大きくなった黒目は目に特殊な入れ墨をして黒目を大きくしたと言っていた。「カナダから来たドクターが目の玉に麻酔をして失明の可能性もある手術をした」と語っていたが実は全くの嘘で、アメリカのHip Hopサイトでそのような特殊コンタクトがアメリカで流行っていることが知られ、彼も実はコンタクトだった事が発覚した。だが、2015年くらいからジャマイカの若手プロデューサー、ノットナイスやリー・ミラーなどのリズムでめきめき頭角を現して2015年リリースの「Champion Boy」はジャマイカ、ナンバー1に輝き若手人気トップに躍り出た。
アルカラインは最近の若者らしくInstagram やYouTubeなどのソーシャルメディアでメッセージを発信するのが得意で、2016年5月にはYouTubeでモバードと曲のバトルを行い、毎日交互に相手をキルする内容の曲を1曲ずつ手紙の返事のようにアップし話題騒然、このリリック戦争は約1か月に渡り続くことになり、6月には毎日のリリースに疲れたのか二人のコンビネーション曲、その名も「Farewell(別れ)」という内容で戦争を集結させて和解。また最近ではポップカーンに向かって電子レンジで作るポップコーンをひねくって「Microwave(電子レンジ)」という曲を作り同じようにチューン戦争をポップカーンと起こしたりでなんともお騒がせDJです。
こんな風に若者に人気のアルカラインですが、レコーディングはオートチューンという声質を変化させるエフェクトをかけており、レコーディングの声は地声ではありません。そのためなのか、ヒットしてから今までジャマイカでは全くライブには出演しておらず(出ても海外のショウしかなく)去年の12月、ビーニマンにそのことをステージで「アルカラインはジャマイカ人なのにジャマイカのファンの為に人前で歌えないカス野郎だ」となじられ、それが原因でInstagramでビーニマンと言い合いになり最終的には今年の1月にアルカラインが「3月にキングストンでジャマイカのファンの前で歌う」と宣言、遂にこのショウが行われました。こんな話題作りがあったせいで、3月初めにこのコンサートが正式発表になった時にはキングストンの街は新しいスター、アルカラインの話題で膨れ上がり、前売りチケット1500J$, VIP席 5000J$のチケットがなんとショウの1週間前に5千枚が完売(!)。当日はナショナル・スタジアム特設ステージには当日券も含めなんと約7千人の客が押し寄せました。