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Bitty McLean the new from the past

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Text by Shizuo Ishii(石井志津男)

 ビティ・マクリーンと初めて会ったのが90年代の中頃。バーミンガムのUB40のスタジオを借りて、エンジニアのジェリー・パーチメントやベースのアール・ファルコナー達のプロデュースでThriller Uのレコーディングをしていた時に、コーラスで参加してくれたのがビティだった。それからはアルバムを日本で出さないかと電話をくれたり、キングストンのMixing Labスタジオでバッタリ会ったりなんてこともあったが、その後ちょっと疎遠になっていた。

だが2004年、突然『On Bond Street』をレコード店で見つけてどうしても出したいと思って電話したが、その番号は既に使われていなかった。結局Peckings Recordsのクリス経由でビティと久々に話し『On Bond Street』を発売した。その後も、代官山UNITでLive をやったり、MOOMINの曲に2度もプロデュースを頼んだ。スライ&ロビーと来日してCotton Club でやった素晴らしいLiveもチェックした。2年前にはオフィスにも来てくれた。

そうだ、『Ruffn’ Tuff』のサントラには全英チャートで3位になった記念すべきデビュー・シングル曲「It Keeps Rainin’」を使用させてもらったり、3.11のチャリティー・チューン「This Moment」にも喜んで参加してくれた。こう考えると彼との関係もかなり深い。20年近いつきあいの中で、彼の音楽同様いつもビティの人柄の良さを確認してきた。

では来日直前、ビティにSkypeでインタヴュー。

●この3ヶ月くらいは、ほとんど毎日メールをやり取りしているけど、今日はSkypeだね。

B:だから今日は髪の毛を切ったよ(笑)。

●おー、いいね!! 久しぶり。じゃあ、さっそくインタヴューするね。先ずSilent Riverっていうのはビティのレーベルなの?

Bitty McLean (以下、B):Silent Riverはプロダクションとレーベルの名前なのかな。2006年からスライ&ロビーと一緒に曲を作る様になって彼らのTaxiレーベル、僕のレーベルがSilent Riverって感じだからプロダクションの名前だね。

●それはゲイレッツの曲の「Silent River」から来ているの?

B:あっ、それは違うんだ。その曲ならもちろん知ってるよ。ジュディ・モワットがいたグループだよね。僕の息子の名前が、実はナイル川から取ってナイルっていうんだけど、それでSilent Riverにしたんだよ。

●名盤『On Bond Street』について聞きますが、これは今は存在しないトミー・マクック&スーパーソニックスの演奏にビティが歌っていますが、どのようにしてレコーディングをしましたか?これらのトラックは、マルチ・テープから?それともアナログ盤から?

B:いやいや、マルチ・トラックじゃないよ。ほとんどは7インチのレコードからで、僕は18歳の時からTresure IsleのCDを集めていたし、僕の父は、バーミンガムでサウンド・システムを持っていたから、いくつかは父のコレクションの中から使うことができたんだ。例えばJoya Landisの「Moonlight Lover」、Alton Ellisの「Rocksteady」とかはレコードだよ。レコードとCDからで、テープはないよ。それらをサンプリングして、編集して、ループさせて、リディムをくっつけて、オルガンやホーンをオーバーダブしてフローが出るようにしたんだ。

●それでは、今度のアルバム『Taxi Sessions』と前の『Movin’ On』はスライ&ロビーとの仕事ですが、このきっかけは?

B:この2枚を出すずっと前の1995年なんだけど、ジャマイカでレコーディングをしたことがあったんだ。『On Bond Street』がヒットしてからというもの、僕の名前もスライ&ロビーに知られる様になって、しばらく会ってなかったけどまた僕と仕事をしたいと言ってきてくれたんだ。たしか2006年にはPeckingsとも仕事をしなくなってきていて、やらなければならない全ての問題も終わった時だったから、それでスライ&ロビーと仕事をすることにしたんだ。スライがデニス・ブラウンの「Hold On To What You’ve Got」のリディムを送ってきてくれて、僕が「The Real Thing」のボイシングを入れてって感じでね。

スライ&ロビーは、それからもリディムを送ってきてくれるようになって、一緒に録る様になったってわけさ。2008年には、ジャマイカにも行ってレコーディングをしてそれが収録されたのが2009年に出たアルバム『Movin’ On』というわけだ。2010年になって、またジャマイカに行って新しいリディム・トラックでレコーディングをした。だから2009年からスライ&ロビーとずっとレコーディングし続けてきたコレクションを去年の9月にリリースしたって感じだね。それが『Taxi Sessions』になるんだけどね。

●今回でスライ&ロビーとのアルバムは2枚目だね。

B:そうだけど、またアルバムを出す予定でスライ&ロビーと3枚目のアルバム制作にとりかかっているんだ。

●いつもどのようにレコーディングしているのかな?

B:『Movin’ On』のアルバムには80年代のスライ&ロビーのリディム・トラックを混ぜたんだ。「The Real Thing」、「Plead My Cause」、「Let Them Talk」、「Daddy’s Home」、「One Of A Kind」などはスライ&ロビーの80年代のクラシックなリディムトラックで、グレゴリー・アイザックスやジュニア・デルガド、デニス・ブラウン等も歌っていたトラック。これらは80年代のラバダブ・ミュージックの観点からみて僕はとても重要だと思っていて、単純に新しいアルバムを作るよりはオールドスクールな80年代のスライ&ロビーのクラシック・リディムを使って、そこに新しい歌をレコーディングするというミックスした物をやろうと思ったんだ。そうは言ってもジャマイカに行った時には、全て新しいリディムで新しい歌をセッションしながら録ってるんだけどね。

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