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Carlton and the Shoes -カールトン・アンド・ザ・シューズ

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Text & Photo by Shizuo Ishii

 Carlton & the Shoesの来日が決定している。もはや四半世紀に及ぶ旧知の間柄である彼の家は、マイケル・マンリー空港からKingston市内に向かう途中のマウンテンヴューにある。だから前を通る度に何となく声をかけるのが、いつもの俺の流儀。今回はGladdy (Anderson)の病気見舞いに突然やって来たのだが、今回も一声かけて来日の決意(?)を聞いてみるか。

 やはりジャマイカはクソ暑い。空港で借りたショックアブソーバーがへたったレンタカーのエアコンをフルにして、ラジオはフルヴォリュームでIRIE-FM、アクセルを思いっきりベタ踏みすれば、いつものKingstonスタイルのドライブが蘇るってもんだ。ゴールド免許が一気に12点減点になってしまった65キロ・オーバーの違反も,こっちじゃ対象外だぜ、なんて言いつつ海岸線をぶっ飛ばせば、後ろについて来るクルマはもう見当たらない。
 クラクションを二度鳴らしてから、ドアに向かってデカい声で「カ〜ルト〜ン〜!!!」と呼んでみる。いつも通りゆっくりと「オー、イシイ」と出てきた。どうやら上半身は裸だったらしくシャツに腕を通しながらの登場だ。とても元気そうじゃないか。

Carlton & the Shoesはレゲエ、SKA、ロック・ステディ好きだけではなく、レアグルーブ・ファンまでをも虜にして、デヴューから50年近く経った現在でもその人気は高い。今でもクラブでは「Love me Forever」や「Give Me Little More」がプレイされているのはご存知の通り。
 少しばかり手前味噌なのだが、彼への大きな再評価は92年のOVERHEATレコードからの『This Heart of Mine』をCDで再発したあたりだっただろうか。その後本家QUALITYレコードからそのアナログの再発が続き、95年にはやはりOVERHEATから13年ぶりで3rd.アルバム『Sweet Feeling』を、そして7年後の2002年には4th.アルバムの『Music For Lover』を出した。てな腐れ縁でCarltonとの付き合いも、もはや四半世紀になってしまった。

●今さらなんだけどさ、軽くインタヴューするよ。日本にはずっとCarltonの独創的な曲、コーラス、そしてファルセットにシビレてる人が多いんだけど、新しいファンもいるからね、では歌い始めたのはいつ?

Carlton Manning(以下、C): 生まれてからず~っと歌ってるさ。歌うのが大好きでね。母も歌が上手くて教会でシンガーとして歌ってたからね。

●Carltonはギタリストとしてもソングライターとしても、他のジャマイカのアーティストと比べると、とてもオリジナルなセンスをもっているよね?

C: そうさ、Versatile (多才)でなければいけない。色々できないとね。カリプソ、レゲエ、R&B とか他の音楽の形態もね。もちろんロック・ステディがメインだけど。いいミュージシャンというものは色々な音楽に通じていないとダメさ。例えば、アルバムが12曲収録だとするだろ。全曲ロック・ステディだとする。それじゃあ売れるけど限定されるかもしれないし、聴いた人も飽きるかもしれない。だいたいCDを買う時は、特別な1曲を聴きたくて買うわけだろ。だから、俺は収録曲がバラエティーに富んでいるようにするんだ。例えば、4~5曲がロック・ステディで、2曲スカ、1~2曲R&B、1曲インストゥルメンタルといった具合にね。

●いつからギターを弾くようになったの?

C:20歳ぐらいから弾き始めたんだ。それまでもずっと歌っていたんだけど、ギターは作曲するのにとても役立つんだ。そしてギターは曲のリディムを作るのに助けになる。ある時は、リズムとギターを先にレコーディングして後で声を乗せるようにしたりね。自分が曲を作るときは常にギターだね。歌詞が先にある場合はギターを使ってその歌詞に合うようにリディムを奏でるようにしたりね。リディムが先の場合はそれに合わせて歌詞をその後に書いたりもしていたよ。

●どうしてギターを始めることになったんですか?

C:楽器を学ぶことから得ることは多いんだ。タイミングやノートやコード理論を理解するようになるからね。それでいいハーモニーを生み出せるようになる。ギターのコードはハーモニーだからね。タイミングだったり、技術だったり、楽器を演奏するには技術が必要だ。ギターもそうさ。どんな楽器も色々な技術を得ることで音楽に必要なことが理解できるんだ。

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